鳥貴族が10月1日から、全品均一価格を390円から410円へ引き上げます。2025年5月にも370円から390円への値上げがあったため、短期間での連続値上げに関心が集まっています。
「安さ」が魅力だったチェーンが値上げをしても、愛され続けるのでしょうか。今回のテーマは、鳥貴族の値上げそのものを批判することではありません。安さを武器に成功した会社が、価格を変えても価値を守れるのか。そして私たちは、「安くします」「何でもやります」と言い続けることで、自分の価値を下げていないかを考えます。
鳥貴族の値上げで考えたいこと
鳥貴族は、10月1日から全品均一価格を390円から410円へ引き上げます。資料では、2025年5月にも370円から390円への値上げがあったと整理されています。
値段が上がれば、利用者が気になるのは当然です。特に「安くて楽しめる」というイメージが強いほど、20円の差以上に、これまでの印象が変わるかどうかが問われます。
しかし、価格が安いことと、価値が低いことは同じではありません。安い価格で提供し続けるには、仕入れ、店舗運営、働く人の力など、見えない努力が必要です。価格を維持すること自体が目的になると、会社の力が削られます。
「安さ」を武器にした会社が値上げする意味
安さで支持された会社ほど、値上げには慎重になります。お客さまが離れる不安があるからです。それでも価格を変えるのは、これまでと同じ価値を守るために、価格を見直す必要があるからかもしれません。
大切なのは、値上げをするかどうかだけではありません。価格が変わった後も、「この金額を払う理由がある」と感じてもらえるかどうかです。
会社が提供する価値は、商品の値段だけでは決まりません。店に行ったときの楽しさ、選びやすさ、分かりやすさ、そこで過ごす時間。こうした体験が積み重なって、価格を超えた信頼になります。
「安くします」「何でもやります」で自分を安売りしていないか
この話は、会社だけの問題ではありません。仕事で「安くします」「何でもやります」と言い続けている人にも関係します。
最初は、相手の役に立ちたいという気持ちから始まります。しかし、価格も範囲も決めずに引き受け続けると、相手から見た自分の価値が曖昧になります。努力しているのに、なぜか評価されない。忙しいのに、利益が残らない。その原因は、能力がないことではなく、自分の価値を提示していないことかもしれません。
成功するには、どこかで「自分の価値はいくらなのか」を決めなければなりません。価格は、単なる数字ではなく、自分が提供できる価値と責任の範囲を伝える言葉です。
スイートスポットは「最大の価値を生む場所」
自分の価値を決めるときに役立つのが、スイートスポットという考え方です。スイートスポットとは、自分が生まれ持つ才能、情熱を持てること、相手に提供できる価値が重なる場所です。
人は、何でも引き受けたときに最大の価値を生むわけではありません。自分の力が最も活きる仕事に集中し、得意ではないことを減らすことで、結果として相手に大きな価値を届けられます。
次の三つを考えてみてください。
- 自分が自然に力を出せることは何か
- 時間を忘れて取り組めることは何か
- それによって、相手のどんな問題を解決できるか
この重なりが見えてくると、「何でもやります」ではなく、「私はこれで役に立てます」と言えるようになります。
今日からできる価値の決め方
まず、今引き受けている仕事を全部書き出してください。そのうえで、最も感謝される仕事、最も力が出る仕事、最も続けたい仕事に印を付けます。
次に、安さや量ではなく、どんな結果を届けているのかを言葉にします。時間を短くする、迷いを減らす、成果を出しやすくするなど、相手に起きる変化を考えるのです。
鳥貴族の値上げから学べるのは、安さを守ることだけが正解ではないということです。価値を守るために価格を見直すこともあります。
あなたも、「安くします」「何でもやります」と言う前に、自分が最大の価値を生める場所を考えてみてください。自分の価値を決めることは、わがままではありません。長く価値を届けるための、必要な選択です。

