火水未済(かすいびせい)

火水未済(かすいびせい)初爻

完全な世界は存在せず、常に変化があり、未完成であることを示す卦です。ここでは、子狐が川を渡ろうとして力尽き、尾を濡らしてしまうことを示します。対象が難しいものであることを知らずに挑み、危ないとき。時が至っていないこと、実力過信に陥っていることを意味します。

火水未済(かすいびせい)2爻

車輪が動かないように止めれば吉という爻(こう)です。軽々しく動かず、思いとどまったほうがいいという意味になります。十分な調査のうえなら、タイミングをみはからって、そろそろとスタートさせてもいいでしょう。人の助けも上手に借りてください。

火水未済(かすいびせい)3爻

良い結果となるか、悪いほうへと傾くかは、気力や技術次第というときです。準備が不十分な状態での見切り発車は危険です。ですが、備えが十分ならば、計画を実行して予想外の幸運に恵まれる可能性もあります。万全の態勢をつくるよう努力してください。

火水未済(かすいびせい)4爻

以前は無謀と言われた、遠くの敵の成敗。しかし、今や勝利を得て、栄誉が与えられることを示します。懸案事項についに決着がつくときです。長年の努力の甲斐があり、希望が叶うでしょう。功績を称賛され、喜びを味わえます。実際に何か受賞することもありそう。

火水未済(かすいびせい)5爻

川を渡り終えた状態です。すなわち念願が叶い、あなたの存在や、成し遂げたことに光が当たります。功績のあったスタッフについては、十分にねぎらってください。何事も順調で、心配のないときですが、次の計画については慎重に進めること。

火水未済(かすいびせい)上爻

目的が達成され、苦労は去り、皆で美酒に酔うことを示します。とはいえ、そこで飲みすぎたり、無礼を働いたりしては、困難がまた襲ってくる恐れがあります。一度得たものが手からこぼれることのないよう、身を慎んでください。

水火既済(すいかきせい)

水火既済(すいかきせい)初爻

物事の区切りを示す卦です。すでに整っているので安泰とも言え、これからは下降運なので注意が必要とも解釈できます。ここではこれまでの疲れが出て、事態を悪くすることを示します。進めば途中で空しく引き返すこととなるので、おとなしくしているのが無難でしょう。

水火既済(すいかきせい)2爻

女性が首飾りをなくして外出ができないというストーリーです。小さなことを思いわずらわないで時を待てという意味です。期待はずれからがっかりすることがありますが、じきに、もとに戻る暗示。落ち着いて現状を保つのが大切なときです。

水火既済(すいかきせい)3爻

泰平のときが続くと、遠くの敵を攻めていきたくなるが、何年もかかるようでは疲弊するばかりであることを示します。すなわち、力が及ばないことをすべきではないという助言です。変化を求めたり、利を追いすぎたりすると失敗の暗示。無事を保つほうを優先してください。

水火既済(すいかきせい)4爻

船が水漏れするとか、華美な衣からぼろがのぞくというように、ほころびが目立ち始めることを示します。穴をふさぐ努力をし、再び破れないよう警戒が必要なときです。表面は立派でも中身が伴わないという点にも気をつけてください。非常時の備えを見直しましょう。

水火既済(すいかきせい)5爻

いけにえを山積みするより、簡素な供え物でも心がこもった祭をして、福を受ける姿勢でなければならないというストーリーです。右下がりの運気のため、無理や無駄を避け、内面充実をはかるべきということです。スケールダウンの判断も賢明です。

水火既済(すいかきせい)上爻

川を渡るのに、首まで浸かってしまうことを示します。つまり、頼れるものはなく、経験もないことに乗り出し、困難に陥るという意味です。いわゆる「首が回らない状態」になるかもしれません。何事もよく考え、身の安全を第一にしましょう。

雷山小過(らいざんしょうか)

雷山小過(らいざんしょうか)初爻

真心を忘れずに事を行えば、身のほどを知ることにつながります。無理をして大きなことを行うより、小さなことから始めよという卦です。その中で、この爻(こう)は、鳥が軽率に飛び立ち、網にかかることを示します。分不相応に地位や財を求めてはいけないとき。

雷山小過(らいざんしょうか)2爻

順を守って行動するならトラブルにならないことを示します。ですから、上司の頭を越すような行いは不可。また、自分が上位ならば、交渉事に直接手を下さず、部下に任せるといいと解釈できます。成功を急がなければ、望みの半分は叶うでしょう。

雷山小過(らいざんしょうか)3爻

災いを防ぐ必要があるのに、害をなす人間に従ってしまうことを示します。人から迷惑をかけられる恐れもあるときです。つまらないことには関わらない姿勢が大切。また、こちらに非があるトラブルが起こってしまったなら迅速な謝罪をし、身を慎むこと。

雷山小過(らいざんしょうか)4爻

自分から始めるのは危険ですが、受け身を保っていれば安全です。また、人を信用して自分の代わりに動いてもらうと、良い結果となりません。人にも任せられず、自分でも動けないときですから、じっとしているのが一番ということになります。

雷山小過(らいざんしょうか)5爻

雲は厚いが雨が降らず、民を潤すことができないことを示します。周囲から期待されていることが実行できず、信望を損なうとき。また、穴から獲物をとってくる部下の力が必要という意味もあります。勇敢で賢明な若い人の働きでカバーが可能なので、良い人間関係を保つようにしましょう。

雷山小過(らいざんしょうか)上爻

飛んでいる鳥が網にかかることを示します。罠が待ち受けているということです。罠にかかるのは、天狗になって上昇したためですから、自己過信や高望みをしていないか反省しなくてはなりません。また、人の企みに乗せられないよう心してください。