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投稿日: カテゴリー ビジネス書解説

AI時代に文章力より大切なもの|松浦勝人会長の「ほぼAIで記事を書いた」発言から考える発信の本質

AIで文章を書けるようになり、「もう文章力はいらないのではないか」と感じる人が増えています。エイベックスの松浦勝人会長が、過去の投稿やプロフィール、経験をAIに読み込ませ、ほぼAIで記事を書いたという話も大きな反響を呼びました。

作家として100冊の本を出してきた私も、現在はAIを使って本のタイトルから構成案を出し、下書きを作ってもらうことがあります。では、人間の仕事はなくなるのでしょうか。結論から言うと、AIに仕事を奪われるかどうかよりも、AIに読み込ませる「自分自身」があるかどうかが重要です。

AIが文章を書く時代に、なぜ発信者が必要なのか

知識を整理し、読みやすい文章を書くことは、AIが得意になってきました。たとえば、過去の投稿やプロフィール、経験をAIに渡せば、その人が言いそうな内容をもとに文章を作れます。

しかし、文章が上手いだけでは、誰の言葉なのかが分かりません。AIが書いた文章でも、松浦会長が書いたものなら読みたい人がいます。私の文章も、これまでの本や発信をもとにAIを使っているからこそ、私らしい内容に近づきます。

つまり、AI時代に価値が残るのは、単なる文章力だけではありません。誰が、どんな経験をもとに、何を伝えるのか。その発信者の立ち位置が、文章の価値を決めます。

AIに入れる中身が、あなたの価値になる

AIは、入力された情報から文章を作ります。過去の実績、失敗、考え方、こだわり、読者に届けたいテーマ。こうした素材が多いほど、AIはその人らしい発信を組み立てやすくなります。

私の場合、過去に100冊の本を出してきた経験があります。その蓄積をAIに読み込ませ、自分の文章の特徴やこだわりも伝えています。最近は、タイトルを入れて「石井貴士ならどんな構成にするか」をAIに出してもらい、その構成に沿って下書きを作り、そこから自分で半分ほど直すこともあります。

AIによって文章を書くスピードは大きく上がりました。それでも、経験そのものをAIが代わりに持っているわけではありません。AIは私が言いそうなことをかなり拾えますが、私が本当は感じていないことを書く場合もあります。経験と感情の細部は、まだ本人の確認が必要です。

「何者として語るか」を決める

AI時代には、「文章が上手ですね」と言われることだけが評価ではなくなります。大切なのは、その文章を誰が語っているのかです。

たとえば、農学の専門家が語れば農学の視点として聞かれます。心理カウンセラーが語れば心理学的な話として受け取られます。アナウンサーならニュースらしい視点、作家なら独自の視点を期待されるでしょう。

同じ内容でも、立つ場所が変われば、読者の受け取り方は変わります。だからまず、「私は何者なのか」「どの立場から話すのか」を決める必要があります。

人は生まれつき、スイートスポットと呼ばれる職業を3つ持って生まれてくると言われています。その職業を知れば、その立場からAIを使って発信できます。AIに任せる前に、自分が立つ場所を見つけることが先です。

文章力を磨く前に、経験を積み上げる

AIに文章を書かせるだけなら、多くの人ができます。しかし、自分の経験や知識をAIに渡せる人は、まだ限られます。

最初から特別な実績が必要なわけではありません。うまくいかなかったこと、考えを変えたきっかけ、続けてきたことも、発信の材料になります。経験を記録し、言葉にし、AIに読み込ませる。その積み上げが、他の人には書けない発信につながります。

私の100冊目の本『スイートスポット』も、これまでの蓄積の延長にあります。今後200冊まで本を出す目標があり、107冊目あたりまで構想と原稿が進んでいます。無料で本を届けるのも、読んだ人に内容を知ってもらい、これからの作家人生を長く見てもらいたいという考えがあるからです。

AIは、あなたの代わりに「何者か」にはなってくれません。AI時代に文章力より大切なのは、読み込ませる経験と、自分が立つ場所です。まずは過去の経験を3つ書き出し、どの立場から発信するかを決めてみてください。そこから、あなたらしいAI活用が始まります。

メタディスクリプション:AI時代に文章力より大切なものは、AIに読み込ませる自分の経験と、何者として語るかという立ち位置です。松浦勝人会長の「ほぼAIで記事を書いた」発言と、100冊の本を出してきた石井貴士のAI活用から、発信の本質を解説します。

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一発逆転を狙う人が失うもの|「10秒で2億円」事件から学ぶ積み上げの成功法則

「10秒で2億円」という高級時計店窃盗事件を題材に、一発逆転を狙う人が投資詐欺や怪しい副業に引き寄せられる危険を解説。積み上げる力、自分が勝てる場所を見つける大切さを紹介します。

「10秒で2億円」と聞いたら、思わず気になってしまう人も多いのではないでしょうか。

今回は、中野ブロードウェイの高級時計店から、腕時計4本、2億円相当が盗まれたという話題を取り上げます。文字どおり、犯行にかかった時間はわずか10秒。その後、警察が男2人を逮捕したとされています。

もちろん、犯罪は絶対にいけません。ただ、このニュースが大きく注目された理由の一つは、「たった10秒で人生が変わる」という強烈な響きにあるのだと思います。

では、私たちは本当に、短時間で一気に人生を変える必要があるのでしょうか。

一発逆転を探すほど、危ない話に近づいていく

人生を一瞬で逆転したい。そう思う気持ちは、決して特別なものではありません。今の状況を変えたい、お金の不安をなくしたい、周りを見返したい。そう考えたとき、「すぐに儲かる」「毎月確実に増える」といった言葉は、とても魅力的に見えます。

しかし、一発逆転を強く求めるほど、投資詐欺やギャンブル、怪しい副業の話に引き寄せられやすくなります。

たとえば、「月利10%」のような、現実には簡単に続くはずのない話を信じてしまう人がいます。私は、投資詐欺に遭った人に10人以上会ったことがあります。数百万円を振り込むよう誘導され、実際に振り込んでしまった人もいました。

「なぜ、そんな話を信じるのだろう」と外から見ると思うかもしれません。でも、早く状況を変えたいという気持ちが強いと、冷静な判断が難しくなります。

ギャンブルも同じです。私は普段あまりやりませんが、競馬に行くのは1年に1回、あるいは半年に1回くらいです。自分の中で距離を保つことで、突然はまってしまうことを避けています。

一発逆転の「後」に努力できるのか

仮に、何かのきっかけで一気に結果が出たとしても、そこで終わりではありません。その後に努力を続けられるかどうかが大切です。

一発逆転を考えたら、必ず「その後の努力」まで考えてみてください。努力は3日で終わるものではなく、3か月かかるかもしれません。1年かかるかもしれません。

一度に大きく得たものは、一度に大きく失うこともあります。急に入ってきたものは、急になくなる可能性もある。だからこそ、長い時間をかけて積み上げていくほうが、人生の土台になります。

人生を変える三つのポイント

一つ目は、「一撃で得たものを、一撃で失わない」ことです。いきなり大きく儲かることだけを目標にすると、失ったときのダメージも大きくなります。結果を急ぐより、続けられる形を選ぶことが重要です。

二つ目は、「積み上げる力」を持つことです。

私の場合、最初に出した本は売れませんでした。2冊目も、3冊目も売れない。そういう時期が続きます。でも、どこかで1冊が売れると、過去の本にも興味を持ってもらえることがあります。新しい1冊をきっかけに、これまでの積み重ねが生きてくるのです。

YouTubeも似ています。動画を出し続けても、すぐに結果が出るとは限りません。それでも、1年後、2年後に、過去の動画がふっと伸びることがあります。積み上げてきたものが、時間を置いて届くのです。

三つ目は、「自分が勝てる場所を先に見つける」ことです。

向いていない場所で努力を続けると、努力しているのに結果が出ない、という状態になりがちです。そこで自分を責める前に、「自分が力を発揮しやすい場所はどこか」を考えてみてください。

人には、生まれ持った三つのスイートスポット、つまり成功しやすい職業や分野があると考えています。自分のスイートスポットが見つかれば、あとはそこで積み上げていけばいい。いきなり当たるかどうかは分かりませんが、積み上げの先で、どこか一度大きく伸びる可能性があります。

一発逆転ではなく、積み上げの先の一発を目指す

「10秒で2億円」という言葉は、たしかに強烈です。でも、私たちが目指すべきなのは、危険な一発逆転ではありません。

自分が勝てる場所を見つけ、そこで努力を続ける。その結果として、ある日、一気に花開く。これなら、得たものを守りながら、次の努力へつなげていけます。

今日からできることは、怪しい「すぐに儲かる話」を探すことではありません。自分が続けられること、過去の努力が資産になること、そして自分が勝てる場所を一つ考えてみることです。

一発逆転を探す前に、積み上げる場所を探してみましょう。人生を変える力は、派手な10秒ではなく、毎日の継続の中にあります。

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栗山巧選手が25年間一筋を貫いた理由|2000安打より大切な「続けられる場所」の見つけ方

栗山巧選手が入団以来25年間一筋を貫いた歩みから、2000安打より大切な「続けられる場所」の見つけ方を考えます。才能より環境、短期の成功より長く輝くための3つのポイントを紹介します。

栗山巧選手の引退から、私たちが学べること

「頑張っているのに、なかなか結果が出ない」「今の仕事をこのまま続けていいのか分からない」。そんな悩みを抱えている人は、少なくありません。

今回考えたいのは、記録を伸ばす方法だけではありません。栗山巧選手が、入団以来25年間、他球団へ移籍せず、同じ場所でプレーを続けてきた理由から、長く輝き続けるための考え方を学ぶことです。

栗山選手は、通算2,151安打を記録した選手です(動画内では8月23日時点の数字として紹介)。2000安打という大きな記録ももちろん素晴らしいのですが、私がより価値を感じるのは、25年間一筋で積み上げてきた時間そのものです。

派手な一瞬より、積み上げ続けた25年

野球界では、2000安打、首位打者、フルイニング出場、ゴールデングラブ賞など、目に見える記録が注目されます。栗山選手にも、2008年の最多安打、2010年のフルイニング出場とゴールデングラブ賞、2018年の球団記録更新など、さまざまな実績があります。

しかし、記録だけを見ていると、本当に大切な部分を見落としてしまいます。それは、結果が出る前も、思うように注目されない時期も、同じ場所で努力を積み重ねてきたことです。

一瞬だけブレイクして、その後に続かなくなる人もいます。一方で、すぐに大きな結果が出なくても、自分に合う環境で努力を続けることで、少しずつ強みが育ち、長く輝ける人もいます。

成功を考えるとき、誰かよりもすごいかどうかだけを基準にする必要はありません。自分が長く続けられる場所を見つけられるかどうか。それが、人生を変える大きな分かれ道になります。

才能の大きさより、続けられる場所を選ぶ

「才能がある人だから、25年間も続けられた」と考えたくなるかもしれません。しかし、才能の大きさだけで、長期間の積み上げは決まりません。

大切なのは、自分の強みが自然に出てくる場所を選ぶことです。栗山選手にとっては、埼玉西武ライオンズという場所が、長く続けるための環境だったのだと思います。

どれだけ能力があっても、毎日が苦痛で、価値観が合わず、努力の方向もかみ合わない場所では、力を出し続けるのは難しいものです。逆に、自分に合う場所であれば、努力が無理な我慢ではなく、日々の積み上げになっていきます。

これは会社や仕事にも当てはまります。今いる会社を「ここが自分の場所だ」と言えるでしょうか。今やっている仕事を「これは自分の仕事だ」と思えるでしょうか。

もちろん、どんな場所にも大変なことはあります。ただ、嫌な環境をただ我慢し続けることが、成功への近道とは限りません。自分に合わない場所で消耗しているなら、次のステップを考えることも必要です。

人生を変える3つのポイント

栗山選手の歩みから、私が考えるポイントは3つあります。

1. 才能の大きさより、続けられる場所を選ぶ

最初から圧倒的な才能があるかどうかよりも、努力を続けられる環境かどうかを見極めます。「ここで続ける」と決められる場所なら、経験が積み上がり、昨日できなかったことが少しずつできるようになります。

2. 自然と強みが出る環境に身を置く

自分の強みは、無理に作り出すものではありません。合う場所に居続けることで、周りから評価される部分や、自分が自然にできることが見えてきます。努力をしているのに自分らしさが消えていくなら、場所との相性を見直すサインかもしれません。

3. 一瞬ではなく、長く輝くことを目指す

短期間で注目されることだけが成功ではありません。長く続けられる仕事を選べば、経験が資産になり、年齢を重ねるほど積み上げが力になります。私自身も、35歳頃までが花型で、その後に仕事が少なくなるアナウンサーより、積み上げが続く作家の道を選んだ、という話をしています。

まだスイートスポットを見つけていないだけかもしれない

自分に向いている仕事が見つからないと、「努力が足りない」と考えてしまいがちです。しかし、まだ自分のスイートスポット、つまり自然に力を発揮できる場所を見つけていないだけかもしれません。

栗山選手にとって、それはライオンズだったのではないでしょうか。あなたにも、これから見つかる場所があるはずです。

大切なのは、今の環境で我慢し続けることではありません。「自分はどこなら長く続けられるのか」「どんな場所なら強みが自然に出るのか」を考え、必要なら次の一歩を選ぶことです。

2000安打という記録の裏側にある、25年間一筋の積み上げ。栗山巧選手の歩みは、人生を変えるのは一度の大勝負ではなく、自分に合う場所で続けることだと教えてくれます。

あなたは今いる場所を、「ここが自分の場所だ」と言えるでしょうか。まずは今日、自分が長く続けられる場所の条件を3つ書き出してみてください。

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