追い続けることが、いつも正しいとは限らない
東京外環道を逆走した車をめぐり、警察が途中で追跡を打ち切ったという話が注目されました。
資料によると、職務質問中に発進した車が東京外環道を逆走し、警察は追跡していました。しかし、危険性が高いことから、途中で追跡を中止。女性は約6時間後に渋谷で確保されたとされています。
この話で注目されたのは、車を捕まえることだけを優先せず、安全を優先して追跡を自ら中止した判断です。
「最後まで追い続けることが正義」ではなく、「ここで追うのをやめることが全体にとって正しい」と判断した。そこに、やめることの本当の意味があります。
「やめる」は、あきらめることではない
私たちは、何かをやめるときに、弱さを感じることがあります。
始めた仕事をやめる。続けてきた勉強をやめる。長く付き合った人間関係から離れる。
ここまで頑張ったのだから、もう少し続けたほうがいい。せっかく時間を使ったのだから、結果が出るまでやるべきだ。そう考えてしまいがちです。
しかし、過去に使った時間や努力は、これから続ける理由になるとは限りません。
大切なのは、今この瞬間に続けることが、自分や周囲にとって本当に必要なのかを考えることです。
あきらめることと、やめる判断は違います。あきらめるとは、ただ投げ出すことです。一方で、やめる判断には、状況を見て、目的を守るために方向を変える意志があります。
「ここまで頑張ったから」に注意する
危険なのは、「ここまで頑張ったから」という気持ちだけで、さらに追い続けてしまうことです。
仕事でも、資格の勉強でも、事業でも、過去の努力が大きいほど、途中でやめにくくなります。やめたら、それまでの努力が無駄になるように感じるからです。
でも、続けることでこれから失う時間や体力、安全のほうが大きい場合もあります。
過去の努力は、やめた瞬間に消えるわけではありません。経験として残り、次の選択を考える材料になります。だから、過去を無駄にしないために続けるのではなく、過去の経験を使って、今の自分に合う方向を選び直すことが大切です。
成功する人は、やめるタイミングを知っている
成功する人というと、最後まであきらめずに続ける人を思い浮かべるかもしれません。
もちろん、続ける力は大切です。しかし、それと同じくらい、危険な道や合わない道を見切る力も必要です。
進み続けることに集中していると、いつの間にか「どこへ向かっているのか」が分からなくなることがあります。
そんなときは、続けるかやめるかを感情だけで決めず、次の3つを考えてみてください。
1つ目は、最初の目的が今も変わっていないか。目的が変わったのに、手段だけを続けていないかを確認します。
2つ目は、続けることで守れるものと、失うものは何か。時間、体力、人間関係、安全を具体的に考えます。
3つ目は、やめた後にどちらへ進みたいか。空白を作るだけでなく、向かいたい方向を決めます。
スイートスポットは、進むべき方向を知ること
スイートスポットとは、才能、情熱、価値観の3つが重なる場所です。
自分が本来進みたい方向を知っていれば、今の道をやめることが、単なる後退ではなくなります。合わない道を手放し、より自然に力を出せる場所へ向かうための選択になるからです。
「やめる判断」は、弱さではありません。
目的を守るために追跡を中止した判断のように、ときには、やめることが最も責任ある行動になります。
今のあなたは、「ここまで頑張ったから」という理由だけで、危険な道や合わない道を追い続けていないでしょうか。
やめることと、あきらめることを分けて考える。そこから、本当に進みたい方向が見えてくるかもしれません。


