「あの人は、生まれつき記憶力がいいに違いない。自分にはそんな才能はない」
他人の記憶力の良さに嫉妬したことは、誰しもあるでしょう。
「なんて私は、生まれつき、記憶力が悪いんだろう」
そう自分を卑下したことがある人も、多いはずです。
記憶力というと、ついつい、生まれつき記憶力がいい人と、生まれつき記憶力がよくない人がいるのではない
かと考えがちです。
しかし、そうではありません。
どんな天才でも忘れますし、どんな凡人でも覚えていることはあります。
だとしたら、何がどう違うのでしょうか?
たとえば、あなたは好きな女の子の名前は、忘れませんよね?
でも、好きではない人や、どうでもいい人の名前は忘れますよね?
友達の誕生日は忘れるかもしれませんが、自分の誕生日は覚えていますよね?
そう。
自分が大切だ、重要だと「本気で」思ったことに関しては、なかなか忘れないのです。
たとえば、日本史の成績がいい人は、歴史の年号が「本気で」大切だと思っています。
なぜなら、年号を覚えているだけで、一発で答えられる問題があったり、
正誤問題で回答しやすくなることを「本気で」感じているからです。
「大学受験で合格すれば、バラ色の人生が待っている」
「大学受験で失敗すれば、人生が終わりだ」
と本気で信じている人は、勉強に関しての記憶力が高くなります。
逆に、
「受験だけが人生じゃないよね。大学に行かないで成功した人もいるよね」
「勉強なんて、社会に出てから何の役にも立たないよ。
2次方程式を使う機会なんて、社会に出てからあるわけがないよ」
と本気で信じている人は、勉強に関しての記憶力が低くなります。
つまり、自分の脳が、本気で「重要だ」「大切だ」と判定したことに関しては、脳は記憶しようとしますが、
「重要ではない」「必要ない」と判定したことに関しては、どんどん忘れるようになっているのです。
嫌な記憶は、あなたにとって重要ではないと判定しますので、忘れようとします。
しかし、恋人との楽しい思い出などは、あなたの人生にとって重要だと判定するので、今でも覚えていますよね?
つまり、脳は、本気で記憶しなければならないと判定したものは記憶に残し、そうではないと判定したものは、
記憶から消し去ろうとするのです。
まず、あなたが記憶力を高めるためにしなければいけないこと。
それは、あなたがこれから覚えようとすることを、「本気で」あなたの人生に役立つと信じ込むことです。
「別に、弁護士にも検事にも裁判官にもなりたくないんだよなあ」と思っている人が、いくら司法試験の勉強をし
ても、頭には入りません。
ですが、「親も兄も弁護士。親戚も弁護士。弁護士でなければ人ではないという境遇
で育った。
人間として生まれたからには、弁護士になるのが当然だ」と思っている人は、司法試験に関しての記憶力は高まります。
「大学なんて、どこも同じだよ。別に入れればどこでもいいよ」と言う人は、勉強をしていても、なかなか頭に入りません。
ですが、「東大に合格したら、大好きな彼女が結婚してくれると確約してくれた。東大に受かることこそが、僕の
人生にとって最重要課題だ」と言う人がいれば、記憶力は格段に高まるでしょう。
「別に、中国人と話もしたことがないし、一生中国に行くつもりもない」という人が中国語を勉強しても、頭に入りません。
しかし、「1年で中国語をマスターしたら、1億円くれるという約束を、資産100億円の大富豪がしてくれた」というのであれば、あなたは本気で中国語の単語を暗記するのではないでしょうか?
まず、あなたは記憶しようとするジャンルに関して、「本気になる」ということが、もっとも記憶力を高める秘訣なのです。
『本当に頭が良くなる1分間記憶法』
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