坤為地(こんいち)初爻
大地に霜の降るところがあることを示します。霜は消えやすいものですが、寒さが続けば硬い氷になるように、小事を侮ってはいけないという暗示です。何事も「はじめが肝心」と心得て。また、善悪や盛衰の分かれ目となる岐路に立っていると言え、慎重な姿勢が求められます。
坤為地(こんいち)2爻
従順で邪心がなく、徳を備えた状態を示します。人から教えられるわけではないのに、正しい行いができ、間違いのない道を進むことができます。そして、その行いは周囲からの尊敬を集めるでしょう。思いがけない幸福を得るという暗示もあります。
坤為地(こんいち)3爻
才能があっても、好成績を収めても、自分からひけらかしてはいけません。黙って自分の力に磨きをかけ続ければ、やがてチャンスが訪れます。また、ひとりで完成することが難しいものも、のちにサポーターが現れて成功するでしょう。
坤為地(こんいち)4爻
嚢(ふくろ)の口を縛るイメージで、よけいなことを言わないこと、という警告です。誤解を招きやすいときなので、黙っていたほうがトラブル回避となります。口をつぐんで耐えていれば、特に誇らしいこともありませんが、安泰が得られます。
坤為地(こんいち)5爻
才能や実力があったり、強い立場にあったりしても、思い上がってはいけないことを示します。人をトップに立たせて、自分は後ろでじっとしていることも大いに吉となります。その謙虚な姿勢に、隠してもにじみ出るものがあり、それこそ美徳なのです。
坤為地(こんいち)上爻
弱い立場の者が龍のように勢いをつけ、戦いになることを示します。いわば下剋上の状態です。戦う両者はともに傷つき、血を流すことになり、益はありません。そうならないために、売られた喧嘩は買わないこと、物事の「順」を守ることが大切です。