天沢履(てんたくり)

天沢履(てんたくり)初爻

少し先に虎がいて、その尾を踏む恐れがあるため、慎重な態度が求められます。危険回避のためには、相手の扱い、すなわち礼儀が大切ということです。その礼儀には、お手本が見当たらないかもしれません。自力で考え、試行錯誤しなければなりません。

天沢履(てんたくり)2爻

実力や持ち物が蓄えられると、次は礼儀をもって人に接することが必要という状態を示します。ところが、礼儀正しくしても相手に通じることがなかったり、あなたの存在自体を尊重されなかったりするかもしれません。しかし、それに腐らず、礼を尽くすことで心の安泰を得ます。

天沢履(てんたくり)3爻

十分ではない面があるのに、自分では完璧だとか、負ける気がしないと言って打って出がちなときです。しかし、実際には無謀な戦いとなり、ダメージを受けることは間違いありません。思い上がっていないかと自分に問うことを心がけましょう。

天沢履(てんたくり)4爻

危険と隣り合わせの状況の中で、比較的安泰なときを示します。用心していれば、大事には至りません。勢いに任せて必要のないことをしたり、やりすぎたりしないように気をつけてください。常に直感を研ぎ澄ませているといいでしょう。

天沢履(てんたくり)5爻

強いこと、正しいことは、あなた自身が望むところでしょうし、周囲から期待もされます。しかし、それに固執すると危うくなることを示します。何事にも融通をきかせ、目下に相談することも辞さない姿勢が吉。独断は、悩みをつくることにつながります。

天沢履(てんたくり)上爻

これまで、礼儀を重んじ、謙虚な姿勢を保つことができたなら、喜びごとがあります。反省すべき点があるなら、ここでしっかりと改めること。どんなふうに改めたらいいかは、広く意見を求めるといいでしょう。キャリアのある高齢者に対して、敬う気持ちを持つこと。

風天小畜(ふうてんしょうちく)

風天小畜(ふうてんしょうちく)初爻

前向きな動きの手前で、しばしとどめられている様子を示します。ただ、足踏みしているときですから、自然にさまざまなものが蓄積されていきます。それが身を助け、苦労が報われる兆しがあります。あわてず、マイペースを保つことが肝心。

風天小畜(ふうてんしょうちく)2爻

まだ、とどまっていたほうがいいときです。物事を進めようとすると、なんらかの壁が立ちふさがるでしょう。自分のしたいこととは何かを見失ってはいけません。書類の不備、持病の再発に注意。無理をしないことが大切です。

風天小畜(ふうてんしょうちく)3爻

今の課題を推進したい気持ちは大変強くなります。しかし突然、車輪が外れたように、何かによって急に動きを止められてしまう恐れがあります。そのうえ、周囲との摩擦も強まります。反抗心を表に出さず、控えめな態度でやり過ごすのが無難。

風天小畜(ふうてんしょうちく)4爻

何かに押しとどめられている感覚を覚えるとき。それは目に見えるもの、心当たりのあるものとは限りません。わけもわからず待機状態を余儀なくされますが、実力を養う時間を与えられたと考えてください。柔軟な対応が吉。

風天小畜(ふうてんしょうちく)5爻

目標を達成できたり、一歩近づいた実感があったりして、充実感を覚えるとき。その進歩は、自分ひとりの力ではなく、心からあなたを信じ、力を貸してくれた人の存在があってこそ。特に、目下の人が支えてくれています。感謝の気持ちを表現し、場合によっては公平な利益の分配を。

風天小畜(ふうてんしょうちく)上爻

しばらく停滞していた物事が動き始めることを示します。それは、あなたの力が充実した証し。ただ、いきなりスピードを上げたり、フルスロットルにしたりするのではなく、まずは、これまでの後始末をきちんとするといいでしょう。

水地比(すいちひ)

水地比(すいちひ)初爻

「地と水がなじみ、万物を育てる」という意味で、人との和合を示します。今は強運とは言えませんが、何事にも誠心誠意の努力で基盤を固めることが大切です。周囲の人に、たっぷりの思いやりをもって接してください。意外な吉報があるでしょう。

水地比(すいちひ)2爻

外見より内実を見ると吉。人に対しても、心からの信頼関係を築けるかどうかを判断すべきです。また、立場が上の人に対しては、誠意を示しましょう。自分の軸がぶれないように心がけ、主体的に行動を起こすことで、喜びを得ます。

水地比(すいちひ)3爻

親しむべきではない、いわば悪者やつまらない人、あるいは悪癖と手を切れない状態を示します。そのために被害を受けることがあるでしょう。自分も「まともな状態」とは言えない恐れ。できるだけの防御策を講じて、自らは動かず、耐えるのが得策です。

水地比(すいちひ)4爻

悪い誘惑者の手を振り切り、賢明な人と親しむことを示します。知的な目上の人に近づき、信頼を得るよう努力しましょう。常に礼儀正しい態度を崩さないことが求められているときです。その相手に引き立てられて、事をなすことができます。

水地比(すいちひ)5爻

暴君ではなく、名君となるには、何をすべきかを考え、実行するといいという意味になります。広い心を持つこと、進路をハッキリと示すこと、去る者は追わないことなどがあげられるでしょう。姿勢を変えずに頑張れば、周囲の人たちや後進がついてきます。

水地比(すいちひ)上爻

人に親しむことを怠ったために、孤独な状況に陥り、助けてくれる人もいない寂しい状況を示します。今からでも遅くはありません。改心し、心温まるつき合いを少しずつ積み重ねていきましょう。気位の高さや人への対抗心は封印すること。