山水蒙(さんすいもう)

山水蒙(さんすいもう)初爻

山裾に霧が立ち込め、何も見えない様子を示します。これは、何も知らない=未熟さの意味となり、それに対して厳しい指導が望ましいことを意味します。あなたが年下の人、誤ったことをした人を導く場合、厳しすぎると反発を招きます。寛容さを持つことが大切です。

山水蒙(さんすいもう)2爻

世界の狭い人や何も知らない後輩に対して、ほどよく厳しく、ほどよく優しく接することで成果が上がるときです。そんな指導者ぶりが周囲の人たちを引きつけるでしょう。良い師を求めるのも、自らグループの長につくのも、いいタイミングです。

山水蒙(さんすいもう)3爻

嫁ぐべき相手を捨て、金持ちの手近な相手についていく女性にたとえられる運気。目先のことにとらわれ、状況が正しく見えていないことを示します。特に、異性に関すること、仕事や金銭に関することには慎重な態度が求められます。

山水蒙(さんすいもう)4爻

気持ちに張りがなく、だらけていることを示します。行くべき道も見えず、ガイド役も得られないため、孤立無援で困窮する暗示。やることなすことが裏目に出るので、静かに受け身の姿勢でいるのが無難です。状況が変わるまで待ちましょう。

山水蒙(さんすいもう)5爻

徐々に明るさが見えてきます。しかし、まだ状況は、「暗闇の中の子ども」状態です。目上の人、知恵や経験のある人に教えを乞うべきです。その際は、見栄を張らず、反抗しないで、素直に従うと吉。目下の人間も大いに力になってくれます。

山水蒙(さんすいもう)上爻

無知や愚かを意味する卦の最終段階で、そこから抜け出ようというエネルギーが強まります。そのため、無理を通しがち。その反発も強く、周囲の人たちの気持ちを害する恐れがあります。言葉や行動に十分な注意が必要です。

水雷屯(すいらいちゅん)

水雷屯(すいらいちゅん)初爻

春が近づき、草木は伸びようとしていますが、地上はまだ冷たいことを示します。石のように動かず、時機を待つべきです。頭を出してはいけません。慎重な態度は、あなたの謙虚さを印象づけ、人の信頼を得るでしょう。

水雷屯(すいらいちゅん)2爻

進もうとするのに物事が進まなかったり、行くも帰るも決められなかったり、という苦境を示します。自分の力以上のことを望んでいるからだという暗示です。欲張らず、手近なところで済ませようとせず、何事も長い目で見ることが肝心です。

水雷屯(すいらいちゅん)3爻

鹿を追っていくのに案内人がいなくて迷うことを示すものです。つまり、やみくもに進めば、どんどん深みにはまっていくという意味。指導者がいないのに、よく知らないことに手を出してはいけません。立ち止まり、再考するのが無難。

水雷屯(すいらいちゅん)4爻

馬に乗ったはいいが、進むかどうかが決まらないことを示します。二つの物事の間で迷っているでしょう。自分にとっての利益を考えると、選択を間違いやすいときです。自分より、関係する相手の意向を優先するほうがいいでしょう。

水雷屯(すいらいちゅん)5爻

水や油といった、機械をスムーズに動かすものが行きわたっていない様子を示します。すなわち、人間関係や経済活動に無理は禁物という意味です。小さなことはギシギシときしみながらも動かすことができなくはありませんが、大きな物事を進めるのは難しいでしょう。

水雷屯(すいらいちゅん)上爻

困難が極まって、どうしようもない状態を示します。行き先はわからず、助けも来ず、泣くしかないという図です。ただ、つらく苦しい時期も底を過ぎれば、あとは好転するのが運の流れ。最低の地点まで行ったのだから、あとは浮上するのみという気持ちが大切。

坤為地(こんいち)

坤為地(こんいち)初爻

大地に霜の降るところがあることを示します。霜は消えやすいものですが、寒さが続けば硬い氷になるように、小事を侮ってはいけないという暗示です。何事も「はじめが肝心」と心得て。また、善悪や盛衰の分かれ目となる岐路に立っていると言え、慎重な姿勢が求められます。

坤為地(こんいち)2爻

従順で邪心がなく、徳を備えた状態を示します。人から教えられるわけではないのに、正しい行いができ、間違いのない道を進むことができます。そして、その行いは周囲からの尊敬を集めるでしょう。思いがけない幸福を得るという暗示もあります。

坤為地(こんいち)3爻

才能があっても、好成績を収めても、自分からひけらかしてはいけません。黙って自分の力に磨きをかけ続ければ、やがてチャンスが訪れます。また、ひとりで完成することが難しいものも、のちにサポーターが現れて成功するでしょう。

坤為地(こんいち)4爻

嚢(ふくろ)の口を縛るイメージで、よけいなことを言わないこと、という警告です。誤解を招きやすいときなので、黙っていたほうがトラブル回避となります。口をつぐんで耐えていれば、特に誇らしいこともありませんが、安泰が得られます。

坤為地(こんいち)5爻

才能や実力があったり、強い立場にあったりしても、思い上がってはいけないことを示します。人をトップに立たせて、自分は後ろでじっとしていることも大いに吉となります。その謙虚な姿勢に、隠してもにじみ出るものがあり、それこそ美徳なのです。

坤為地(こんいち)上爻

弱い立場の者が龍のように勢いをつけ、戦いになることを示します。いわば下剋上の状態です。戦う両者はともに傷つき、血を流すことになり、益はありません。そうならないために、売られた喧嘩は買わないこと、物事の「順」を守ることが大切です。