天山遯(てんざんとん)

天山遯(てんざんとん)初爻

逃げ隠れすることも策のひとつという卦の第一段階です。今は逃げ遅れている状態ですが、ここから急いでも凶。安全を優先させましょう。動かず、じっとしているか、じりじりと退却するのが無難です。諦めが肝心とも言えます。

天山遯(てんざんとん)2爻

抵抗すればするほど、さらに束縛されるというときです。思うようにならない状況から逃れようとしますが、牛皮革の帯のような強いものが動きを封じることを示します。じっと我慢して、その場にいるほうが傷となりません。異性問題には慎重に。

天山遯(てんざんとん)3爻

身を潜めていようと思うのに、誰かに関わったために危険な目に遭うことを示します。よくある、「今、ヒロインを助けに出ていったらピンチに陥る」というフラグが立っているとき。ドラマや映画ではない現実では、逃げるが勝ちと言うことができます。

天山遯(てんざんとん)4爻

賢い人間は、欲張らないために上手に逃げられるが、そうでない者は迷い、時を読むことができずトラブルの渦中に取り残されることを示します。いろいろなしがらみや情から落とし穴に引きずり落とされる恐れがあります。害のある関係は断ち切りましょう。

天山遯(てんざんとん)5爻

タイミングよく行動できます。流れが変わったことを察知し、逃れたほうがいいものからはうまく体をかわすことができるので、安心です。大きな幸運はありませんが、息をつくことができるでしょう。今は将来のことを考えて、策を練ることが大切です。

天山遯(てんざんとん)上爻

あらゆる面で余裕があり、トラブルを上手に避けられるときです。不安はほとんどないでしょう。何事にも前向きな気持ちで取り組め、心も広くなっているので、人から慕われます。ただ、無理をしても大丈夫というわけではありませんので、その点は覚えておいてください。

雷風恒(らいふうこう)

雷風恒(らいふうこう)初爻

男女が結ばれ、永遠の愛を誓う様子を示します。この爻(こう)は、まだ結婚したての段階です。意欲はあるものの、技術が追いつかないという意味があります。深入りしすぎたり、急ぎすぎたりとバランスも取れません。期待を大きくしすぎないほうがいいでしょう。

雷風恒(らいふうこう)2爻

迷いが生まれますが、心を揺らさず、本業を守り続けていくのがいいでしょう。変化を求めたり、人の誘いに乗って軽はずみなことをしたりしてはいけません。新しいことに気を移すよりも、現状を保つよう真面目に勉強するのが吉。

雷風恒(らいふうこう)3爻

浮気者の妻を意味し、風のように心が動いて、信頼を損なう恐れがあることを示します。おしゃべりで失敗したり、軽率な行動で恥ずかしい思いをしたりするでしょう。また、人と口喧嘩をすれば、望みから遠ざかってしまいますので気をつけてください。

雷風恒(らいふうこう)4爻

鳥のいない場所で狩りをしていることを示します。つまり、見込み違いがあるとか、労多くして功がないという意味。手応えのないものからは手を引き、向きを変えたほうがいいでしょう。思い切ってやり直したほうが吉と出るものもあります。

雷風恒(らいふうこう)5爻

女性が従順でいるのは問題ないが、男性は従順のみでは頼りないことを示します。女性は物事を変えないのが吉で、男性はひとつのことに固執するのはよくないとなります。全体は穏やかではあるものの、トラブルの芽はあります。人に甘えないことが大切です。

雷風恒(らいふうこう)上爻

永遠、不動を意味する卦の最終段階にもかかわらず、心を震わす出来事があり、問題が生まれることを示します。周囲への影響を考えず、むやみに動くと、疲れるばかりで得るものがありません。飽きやすい点にも注意。方針の見直しが必要となるでしょう。

沢山咸(たくざんかん)

沢山咸(たくざんかん)初爻

何事も人間を信じることから始まるという卦の初期段階です。心ははるか先を見ていますが、最も物事の変化を感じ取っているのは、足の親指であることを示します。足先は、歩くのに一番初めに動くところ、つまり、最初の一歩を大切にしたいときという意味です。焦らないこと。

沢山咸(たくざんかん)2爻

感応する部分が、足の先から進展して、ふくらはぎであることを示します。体の主要部分とは離れていることから、各所との連絡がうまくいかないことを暗示。本来進むべき道からそれてしまいがちなので、常に足元を確認しましょう。

沢山咸(たくざんかん)3爻

足の先から始まって、股の部分まで感応の状態が進んできたことを示します。体の中心ではありますが、止まるべきなのに止まらないという意味があります。落ち着かず、周囲に振り回される暗示。不摂生や、情欲による失敗に注意したいときです。

沢山咸(たくざんかん)4爻

体の胸の部分に焦点が当たります。正しい心でいれば問題はありませんが、心を揺らす出来事も多くあり、姿勢を問われるときです。目先の利に惑わされないよう注意。また、年下の人間に苦労をかけられます。あなたの指示が曖昧だったり、途中で方針を変えたりすれば、さらに非難されます。

沢山咸(たくざんかん)5爻

体の背中の部分に焦点が当たります。背中は敏感とは言えないことから、悪いものとは感応せず、近づくことがない。そのため、安泰です。危険はないものの、鈍感ということは志が低いと言われても仕方がない状況です。しかし、無理をせず、無事であることを喜びましょう。

沢山咸(たくざんかん)上爻

顔の中の口に焦点が当たります。口先だけになりやすいという意味です。失言に注意するほか、人の甘言に惑わされないよう気をつけましょう。言葉だけでは、人を感心させたり、説得したりができません。誠実さを第一にしてください。