天水訟(てんすいしょう)

天水訟(てんすいしょう)初爻

「争いが起こり、平行線を辿る」という卦の最初の段階です。争いの規模が小さなうちに、収める努力をすべきです。ごねていれば自分に有利になるのではないかという計算や、自分から折れたくないというプライドは捨てましょう。長引かせるのは得策ではありません。

天水訟(てんすいしょう)2爻

訴えを止めて帰ったところ、多くの村人の無事につながったというストーリーの卦です。自分より立場や力が上の人と争っても、勝ち目がないことを示します。対抗心を捨て、思い切って引くことで、周囲の人たちにも安寧をもたらすことができます。

天水訟(てんすいしょう)3爻

不平不満が噴出しやすいときですが、ぐっと堪え、争いを起こした非を認めれば吉と出ます。ただ、一度、騒ぎを起こしているでしょうから、以前よりも控えめな態度が求められます。自分が力を尽くすべき務めを守り、あくまで上に従ってください。

天水訟(てんすいしょう)4爻

闘争心をかき立てられるときですが、顔に出しては勝利を得ることはできません。ポーカーフェイスを保ちましょう。また、相手の非を許す心を持つこと。喧嘩を思いとどまり、気持ちを変え、退却する勇気を持てば、大ごとにならずにすみます。

天水訟(てんすいしょう)5爻

トラブルはようやく終息に向かいます。しかも、自分側が勝利を収められます。最近起こった争い事は、時間がかからずに解決するでしょう。あなたの判断は公明正大で、少しも後ろ暗いところがないため、徳のある結果となります。

天水訟(てんすいしょう)上爻

争いに勝ち、そのご褒美があることを示します。しかし、一時的には嬉しくても、それが人の敬愛を集めることにはならず、自分でも「割に合わない争いだった」と結論づけることとなるでしょう。後始末に費用がかかるということもあります。

水天需(すいてんじゅ)

水天需(すいてんじゅ)初爻

人と交流しながら雨が降るのを待つ、すなわち好機が訪れるのを待つことがおすすめです。チャンスはまだ遠くにあり、その前には障害もあるでしょう。物事に着手するには早すぎます。焦ることはありません。今いる場で様子を見るのが吉。

水天需(すいてんじゅ)2爻

以前よりは一歩、目的に近づいています。そのぶん、小さな波乱が目立つようになるでしょう。しかし、いちいち、それに左右されてはいけません。ゆったりとした心持ちを保つことで、良い結果を手にすることができます。悩み事は時間が解決します。

水天需(すいてんじゅ)3爻

災いのすぐ近くにいることを示します。ですが、自ら飛び込まなければ大丈夫。短気を起こして急に歩を進めれば、前にも後ろにも動くことのできない状態となりますので、我慢が肝心。盗難や水難、病気に気をつけたいときです。

水天需(すいてんじゅ)4爻

待ちきれなくなって、トラブルの渦中に飛び込んでしまうことを示します。飛び込んだからには、さまざまな困難が押し寄せることは当然です。傷を負うこともありますが、致命傷としないために目上の教えや指示に従ってください。自分の力を過信しないこと。

水天需(すいてんじゅ)5爻

何もしなくても、次第に環境が整うことを示します。英気を養いつつ、行動を起こすべきときを待ちましょう。活力を蓄えるために、良い休息、飲食、人とのコミュニケーションを大事にしてください。自分の目的のための情報収集に努めましょう。

水天需(すいてんじゅ)上爻

「時機を待つこと」もそろそろ終わります。やっと物事をスタートさせられますが、その前に意外な出会いがあるでしょう。あなたを窮地から救ってくれる存在で、複数人という可能性もあります。相手の考えを尊重し、柔軟に対応すると吉。

山水蒙(さんすいもう)

山水蒙(さんすいもう)初爻

山裾に霧が立ち込め、何も見えない様子を示します。これは、何も知らない=未熟さの意味となり、それに対して厳しい指導が望ましいことを意味します。あなたが年下の人、誤ったことをした人を導く場合、厳しすぎると反発を招きます。寛容さを持つことが大切です。

山水蒙(さんすいもう)2爻

世界の狭い人や何も知らない後輩に対して、ほどよく厳しく、ほどよく優しく接することで成果が上がるときです。そんな指導者ぶりが周囲の人たちを引きつけるでしょう。良い師を求めるのも、自らグループの長につくのも、いいタイミングです。

山水蒙(さんすいもう)3爻

嫁ぐべき相手を捨て、金持ちの手近な相手についていく女性にたとえられる運気。目先のことにとらわれ、状況が正しく見えていないことを示します。特に、異性に関すること、仕事や金銭に関することには慎重な態度が求められます。

山水蒙(さんすいもう)4爻

気持ちに張りがなく、だらけていることを示します。行くべき道も見えず、ガイド役も得られないため、孤立無援で困窮する暗示。やることなすことが裏目に出るので、静かに受け身の姿勢でいるのが無難です。状況が変わるまで待ちましょう。

山水蒙(さんすいもう)5爻

徐々に明るさが見えてきます。しかし、まだ状況は、「暗闇の中の子ども」状態です。目上の人、知恵や経験のある人に教えを乞うべきです。その際は、見栄を張らず、反抗しないで、素直に従うと吉。目下の人間も大いに力になってくれます。

山水蒙(さんすいもう)上爻

無知や愚かを意味する卦の最終段階で、そこから抜け出ようというエネルギーが強まります。そのため、無理を通しがち。その反発も強く、周囲の人たちの気持ちを害する恐れがあります。言葉や行動に十分な注意が必要です。