風沢中孚(ふうたくちゅうふ)

風沢中孚(ふうたくちゅうふ)初爻

節度をもって人に接すると、本当の気持ちが相手に通じるようになります。そんな真心を示す卦のはじめで、変心を戒めています。途中で心を変えれば凶、言動が一貫していれば吉ということです。信頼できる相手についていき、気移りしないでください。

風沢中孚(ふうたくちゅうふ)2爻

夜に親鳥が雛を心配して鳴けば、子がそれに応えることを示します。心が通じ合い、盛運であるということ。利益や知恵を分かち合うことの大切さも意味します。配下の人間や子弟を教え導くのにいいときです。結婚は大吉のときと言えます。

風沢中孚(ふうたくちゅうふ)3爻

敵に出くわし、小さなことで一喜一憂し、失態を演じることを示します。しっかりとした考えがなく、人の顔色を見たり、同情を買おうとしたりすれば小物扱いされても仕方ありません。また、頼りになると思った相手が期待はずれとなる暗示もあります。冷静さを保ちたいとき。

風沢中孚(ふうたくちゅうふ)4爻

満月に近い頃、泥棒が現れ、馬が仲間を失っても過ちではないという爻(こう)。大望成就が近いからこそ、そこに専心し、私情を捨てよという意味になります。公的責任を果たすべきとき。公私の別をきっちりとつけるといいでしょう。公平で、わかりやすい言動が信望を得ます。

風沢中孚(ふうたくちゅうふ)5爻

手をつないで離れない君子と臣民を示します。つまり、以心伝心が可能なほどの上下関係を築くことが可能で、良い結果を得られることを意味します。自分と相手がそれぞれの役割を全うし、信頼し合うことで、何事も順調に運ぶときです。

風沢中孚(ふうたくちゅうふ)上爻

羽ばたきと鳴き声ばかりで鶏が飛ばないことを示します。つまり、大騒ぎするものの実態がなく、虚勢も長く続かないという意味です。分不相応の扱いを望むと、トラブルを招くとき。節度を保つことの大切さを、改めて考えましょう。

水沢節(すいたくせつ)

水沢節(すいたくせつ)初爻

いつまでもエネルギーを発散させているわけにもいかず、節度をもって調整すべきという卦です。その中で、この爻(こう)は、家を出ず、事を起こさないほうがいいことを示します。意見があっても今は口に出さず、野心を人に漏らさないでください。トラブルを避けられます。

水沢節(すいたくせつ)2爻

家の門を出ないために凶を招くことを示します。つまり、慎重になりすぎると好機を逃すと助言するものです。進むべきときには、次の節目まで歩を進めるようにしましょう。何かを申し込みたい相手がいれば、迷わずアタックを。相手は受け入れてくれるはずです。

水沢節(すいたくせつ)3爻

うまくいかないのは人や時のせいではなく、自分の怠惰からであることを示します。遊びはほどほどのところで切り上げ、真面目に本業に取り組めば問題がないときです。また、何事も行きすぎたり、極端な考えに傾いたりしないように調整しましょう。

水沢節(すいたくせつ)4爻

驚くような良いことも、逆に悪いこともありません。才能が光る機会も少ないときですが、品行正しくしていれば、身の安全がはかれます。担当外のことには手出しをしないのが無難です。周囲の人たちとのコミュニケーションにも不安がなく、スムーズに協力し合えます。

水沢節(すいたくせつ)5爻

大きな望みが叶うとは言えませんが、満足感に溢れる好調期です。世間の物事もよく見えて、うまく立ち回ることができますし、人も喜んでついてきてくれるでしょう。ただし、調子に乗って急に何かを動かそうとすると、平和なムードが壊れますので気をつけてください。

水沢節(すいたくせつ)上爻

節(節度)も無理強いすれば、苦節となることを示す爻(こう)です。やりすぎ、厳しくしすぎは害になるという意味。自分の方針が人を苦しめていないか、陰で人に侮られていないかを点検するといいでしょう。成功体験に固執せず、柔軟な対応が望まれます。

風水渙(ふうすいかん)

風水渙(ふうすいかん)初爻

人も自分も喜びに満ち、なごやかに過ごしていると、問題の多くは徐々に去っていくという卦のはじめです。凍結したものは緩んできますが、自力だけでは解決に時間がかかるので、力のある人に助力を求めるといいでしょう。躊躇してタイミングを逃さないよう注意を。

風水渙(ふうすいかん)2爻

迅速な対応が成功を導くときです。すでに後れを取っていることがあるのではないでしょうか。早く安心できる場所に向かっていってください。また、周囲の人と心を合わせることが大切です。苦しい気持ちでいるところに、嬉しい知らせが届く暗示もあります。

風水渙(ふうすいかん)3爻

悩んでいるときに、人から何か頼まれ、そちらに集中すると首尾よくいき、同時に自分の悩みも消えることを示します。また、自分では策が尽きてしまうので、見栄を捨て、人に助けを求めることで悩みから救われるという意味もあります。いずれにしても、できることを精一杯したいときです。

風水渙(ふうすいかん)4爻

大きな物事を動かせるときです。本質を突いた大胆なことをすれば、丘をつくるほど人が集まるという暗示があります。頭を働かせ、あたためていた計画を実行に移しましょう。皆の利益となるものを優先し、周囲への配慮を欠かさないことも大事です。

風水渙(ふうすいかん)5爻

人のために奮闘して、大いに認められるでしょう。多くの人の悩みを解消できるようなことは、積極的に推進してください。公の事業に縁のあるときであり、それに力を傾けることが、自分の力を養うことにもつながっていきます。

風水渙(ふうすいかん)上爻

生々しいことから遠ざかり、我が身と精神を守ることを示します。状況をよく観察し、もし状態が悪いと判断したなら、潔く撤退したいときです。そう決めた場合には、野心を起こしたり、損得を考えたりしないことです。また、社会現象に敏感になることも大切なとき。