天雷无妄(てんらいむぼう)

天雷无妄(てんらいむぼう)初爻

季節や時流に合った自然な行動が最も吉であるという卦です。「時流に合う」より、「自然」のほうに力点が置かれます。欲や計算を捨て、なりゆきに任せることで、天の恵みがあり、幸運を得るでしょう。偽りがなくなり、迷いが去る様子を示します。

天雷无妄(てんらいむぼう)2爻

どんな田圃でも、農夫は耕作する。そのこと自体が喜びであることを示します。報酬を優先するのでなく、すべきことをすることが大切という意味です。新しい情報が気になるかもしれませんが、これまでの方法を守ったほうがいいとき。

天雷无妄(てんらいむぼう)3爻

牛を盗まれ、損をしたり疑われたりするが、すべて天による災いであるという爻(こう)です。身に覚えのないことを言われたりして迷惑を被るとき。申し開きをしても、あまり効果がありません。後ろ暗いことはないのですから、堂々とした態度で自然に疑いが晴れるのを待ちましょう。

天雷无妄(てんらいむぼう)4爻

何かと過剰になりやすく、高望みもし、その姿勢が災難を呼ぶことを示します。災難に遭ってしまったら仕方ありません。とにかく守りの姿勢で我慢を。人を羨まず、自分のポジションや持ち物に自信を持って、すべきことに邁進しましょう。

天雷无妄(てんらいむぼう)5爻

生物が持つ治癒力は素晴らしいもの。実際の病気や怪我を自力で治せという意味ではありませんが、精神面のささいな痛手は「時間」や「本来持っている力」で治そうという意味です。言い換えると、小細工は凶、新手のものに手を出すべからずとなります。

天雷无妄(てんらいむぼう)上爻

やみくもに動いてしまい、トラブルをつくり出してしまうことを示します。間違った方向へずんずんと歩いていき、ついには自分で自分の首をしめる事態になりかねません。ですから、誰かのあとについていくのが無難です。人の意見を素直に聞くよう心がけて。

地雷復(じらいふく)

地雷復(じらいふく)初爻

地中にある雷が物事を動かし始め、春の兆しが戻ってくるという卦の最初の段階です。徐々に明るさ、温かさが増していきますが、今はまだ完全ではありません。急がずに、そろそろと顔を出していくのがいいでしょう。これからの計画を練るのにいいときです。

地雷復(じらいふく)2爻

復活、再生、再挑戦のタイミングです。一度、諦めたことを見直してください。同じことを繰り返してみると、今度はうまくいくでしょう。自力で元に戻す自信がない場合は、運の強い人のそばにいたり、助けをもらったりすれば安泰。

地雷復(じらいふく)3爻

いずれは本来の道に戻りますが、今は横道にそれたり、迷ったりしがち。疲れるばかりで、なかなか進めません。不安が大きいために辛抱できず、言動に一貫性がありません。短気を起こさないこと。チャンスと見たら、しっかりつかむようにして。

地雷復(じらいふく)4爻

幸運はまだ十分にチャージされていません。何かを成し遂げるには、力が足りないとき。しかも、孤立しやすく、人の助けも得にくいでしょう。しばらくはひとりで頑張ること。焦らず、順にこなしていけば、しばらくしたのちに希望が叶います。

地雷復(じらいふく)5爻

うまくいくように思えたのに、困難が生じて立ち止まることを示します。忍耐力を発揮して、乗り切りましょう。自分のこれまでを振り返り、反省すべき点を明らかにすれば、好調運が戻ります。人の力を借りないほうがよいときでもあります。

地雷復(じらいふく)上爻

よけいなことを口にして、和を乱しがちです。何をするにもタイミングがずれてしまい、ツキがないとも感じるでしょう。今のスタイルが状況に合っていないのです。とはいえ、スタイルをすぐに変えられるとは限りませんね。可能な範囲でかまいませんから、とにかく柔軟性を持って。

山地剥(さんちはく)

山地剥(さんちはく)初爻

長い間に山が削り取られるという意味の卦のはじめです。ここで削られるのは、ベッドの脚。つまり、足元が危ういことを暗示。目下の人間があなたの足を引っ張ろうとしているのかもしれません。危険がじわじわと近づいていることが考えられます。何事も信じすぎないように。

山地剥(さんちはく)2爻

ベッドの脚と台のつなぎ目が削られることを示します。つまり、まだ直接に被害があるわけではないものの、危険は身近に迫っているという意味です。トラブルを起こしそうなものや人間に気づいたら、できるだけ早く対応すべきです。また、苦しくても借金は凶。

山地剥(さんちはく)3爻

危険を回避するには、正しい道を守るに限ります。傷つけられる兆しがあるなら、先にこちらから攻撃しようと思うのはもってのほか。正義を貫こうとするとピンチに陥り、仲間を失うかもしれませんが、隠れていた意外な味方も現れますから、くじけないこと。

山地剥(さんちはく)4爻

安全であるべきベッドが削り取られることを示します。つまり、災いが降りかかり、傷つくという意味です。とにかく何事にも警戒を解かない構えがおすすめです。トラブルの真ん中にいると感じたときは、身ひとつで逃げるのが正解。タブーを冒す危険性もあります。

山地剥(さんちはく)5爻

真の友とは言えない人間と行動をともにしなければならないでしょう。相手に利用されているのがわかっても、素知らぬふりで、その場をやり過ごすのが正解です。人におだてられ、嬉しい素振りを見せるのはかまいませんが、それに左右されないことが肝心。

山地剥(さんちはく)上爻

今が運命の分かれ目であることを示します。取り残されるか、生きかえるかの状況なので、人事を尽くして天命を待つという姿勢でいるしかありません。新しいことに手を出さず、じっとしていること。とはいえ、木にひとつ残った果実が次の命を育むように、やがては希望が生まれます。