兌為沢(だいたく)

兌為沢(だいたく)初爻

さりげなく人の心に入りこみ、相手を喜ばせることができる卦です。その中で、この爻(こう)は、あなたの内面が充実し、温和な態度が取れるので、周囲に好かれることを示します。物事も順調に進むでしょう。組織内で親睦をはかる行事を行うと吉。

兌為沢(だいたく)2爻

たとえ、楽しいことが多くても油断しないこと、そうすれば安泰という意味です。堅実さ、誠実さが大切なとき。道をそれてはいけませんし、誘惑などに惑わされて目移りしてはなりません。また、趣味などにかまけ、本業をおろそかにしないよう注意を。

兌為沢(だいたく)3爻

利益に目がくらんで、立場などが危うくなることを示します。権力者の言うなりになってついていっても、いいことはありません。覚えがめでたくなるどころか、侮られる恐れがあります。また、人を騙すようなことに手を染めれば、逆に騙されるでしょう。

兌為沢(だいたく)4爻

右につこうか、左につこうかと迷うことを示します。自分のことだけを考えず、また情に流されず、より公明正大さが優るほうを選ぶべきです。酒食の席や異性に関わる失敗に気をつけたいときでもあります。自分を律していれば問題ありません。

兌為沢(だいたく)5爻

人に陥れられるとか、身近な人に苦労させられることを示します。詐欺に引っかかる恐れもあります。相手をよく見て、少しでもおかしいと思ったら話を先へ進めないほうがいいでしょう。ただ、相手が身内の場合、距離を置くのでなく、改心するよう説得を。

兌為沢(だいたく)上爻

水路をつくり、沢の水を引いて、皆の役立つものにしたというストーリーです。つまり、普段は奥に控えているけれど、人に誘われたときには喜ぶといった慎ましい態度が吉ということ。自分から前に出るのは避けたほうがいいときです。大げさな言動は、トラブルを招きます。

巽為風(そんいふう)

巽為風(そんいふう)初爻

風のようにさりげなく、その地に入りこむとか、風向きに従うという卦「巽為風 」。ここでは、卑下しすぎ、迷いが生まれ、不安定なことを示します。古代の武人のように自信を持って、落ち着くことが肝心です。また、頼っている人を疑ってはいけません。

巽為風(そんいふう)2爻

紛らわしいことがあるので、神託を得るというストーリーです。曖昧な物事が多く、どう進めればいいのかわからなくなることを暗示します。進路を間違わないように整理整頓と、丁寧な事務処理を心がけて。「縁の下に賊がいる」の意味もありますから、情報管理もしっかりと。

巽為風(そんいふう)3爻

風向きが次々と変わるように、方針をころころと変えがちで信用を失うことを示します。態度も卑屈なものになってしまい、好感を損ねる恐れがあります。本来の目的、辿るべき道筋を見失わないこと。よけいなことをすると、事態は悪化します。

巽為風(そんいふう)4爻

狩りで、たくさんの獲物があったことを示します。時流に乗って、大きな利益が期待できるときです。バックアップしてくれる人や、あなたを認めてくれる人の出現もあり、あなたの存在感がぐんとアップするとき。コミュニケーションもスムーズです。

巽為風(そんいふう)5爻

最初の段階でもたついても、次第に安定することを示します。それなりに時間をかけるつもりで、何事も丁寧に取り組んでください。攻略したい相手がいるときは、調査を第一に。また、あなたに反抗していた人間に注意を与えた結果、かえって力強い味方になることも考えられます。

巽為風(そんいふう)上爻

言葉を飾り、相手におもねっても効果のないとき。卑屈な印象となり、かえって大損となる恐れがあります。また、頑固になって権利を失ってしまうことも考えられますので、十分に気をつけてください。逆に、辞任や引退にはよいタイミングです。

火山旅(かざんりょ)

火山旅(かざんりょ)初爻

いったんピークを迎えたものは居場所を失い、旅に出ることを示します。旅の途中で小銭さえ人と争う状況となり、災いを被るという爻(こう)です。資金不足の暗示ともとれますし、目先の細かなことにとらわれてはいけないとも言えます。

火山旅(かざんりょ)2爻

泊まる宿があり、資金があり、供の者もいるので旅は順調であることを示します。今、寂しい気持ちにとらわれていたとしても、安心材料が増えていきます。人の好意がありがたく、身にしみるときでもあります。強行軍はやめて、いったん物事の整理整頓をはかるといいでしょう。

火山旅(かざんりょ)3爻

旅の宿と従僕を火事で失うというストーリーの爻(こう)です。基盤や組織、人脈が危うくなることを意味します。仲間が離れていくのかもしれません。苛酷な環境やあなたの強すぎる言動を改めれば、事業や生活は続けられるでしょう。

火山旅(かざんりょ)4爻

旅の途中で安らぎの場所を得て、金と身を守る武器も手にしたが、一時的なものなので不安が残るというストーリーの爻(こう)です。低調運の中での小康状態と言えます。今のうちに、今後やろうとしていることの準備をしっかりと行い、愁いのないようにしましょう。

火山旅(かざんりょ)5爻

雉を射て矢を失うが、名誉を受けることを示します。雉は文明の象徴で、他国を我がものとして、君命に応えたという意味です。目的達成のためには多少の犠牲を払うことになりますが、いずれ報われるでしょう。新たな情報を取り入れ、自分を豊かにすると吉。

火山旅(かざんりょ)上爻

旅の途中で、荷物を載せた牛を盗まれ、泣いて訴えても聞く者がいないことを示します。トラブルに遭った人を冷笑していたら、自分も途方にくれるような目に遭うという暗示。自業自得が起こりやすいので注意を。謙譲の心を失わず、考え方も柔軟にすべきときです。